
「太陽光発電を導入すれば電気代が安くなる」という話を聞いたことがある一方で、「思ったほど安くならない」「むしろ高くなった」といった声も聞かれます。
一体、どこに原因があるのでしょうか。
今回は山形県南を中心にその他幅広いエリアで多くのご家族の家づくりをサポートしてきた工務店『ミナガワ建設』が、太陽光発電で電気代が安くならない理由や対策をわかりやすく解説します。
設置費用や補助金制度についても紹介しますので、これから太陽光発電を検討する方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
太陽光発電で電気代が安くなる仕組み|自家消費+売電がポイント

太陽光発電は、発電した電気をご家庭で使い、余った分を売ることで電気代を削減します。
ここでは、基本的な仕組みを「自家消費・売電・再エネ賦課金の削減」の3つのポイントで解説します。
自家消費|電気の自給自足で買う電気を減らす
太陽光パネルで発電した電気を使うことで、電力会社から買っていた電気を自家発電でまかなえるため、電気代を抑えられます。
日中の電気料金が割高に設定されているプランを契約している場合、自家消費による節約効果はより大きくなります。
売電|余った電気を売って収入を得る
自家消費しても使い切れずに余った電気は、FIT制度(固定価格買取制度)という国の制度に基づき、電力会社が一定期間、固定価格で買い取ってくれます。
ただし、注意点として、FIT制度による買取価格は年々下落傾向にあります。
〈参考〉買取価格・期間等(2012年度~2024年度)|経済産業省
制度開始当初は売電価格が高かったものの、現在では、電力会社から電気を買う価格(買電価格)の方が、電気を売る価格(売電価格)よりも高くなっています。
これからの太陽光発電は「売って儲ける」から「自家消費で節約する」へとシフトしていくことが賢い選択といえます。
再エネ賦課金の削減|買う電気が減れば負担も減る
太陽光発電の導入は、「再エネ賦課金(ふかきん)」の負担軽減にもつながります。
再エネ賦課金は、電力会社から購入した電気の使用量に応じて、電気を使用するすべての方が支払うものです。
太陽光発電で自家消費率を高め、電力会社から買う電気を減らすほど、再エネ賦課金の支払いも少なくなります。
太陽光発電で「電気代が安くならない」「やめとけ」と言われる理由

太陽光発電で期待通りに電気代が安くならないケースには、主に4つの理由があります。
期待していたほど発電しない場合がある
太陽光発電がシミュレーション通りに発電しない大きな理由は、天候と立地条件にあります。
梅雨や日照時間が短い季節、曇り・雨が続く日は発電量が落ち込みます。
さらに、屋根の方角や周辺の建物の影といった立地条件が適していなければ、パネルの性能を十分に引き出せません。
太陽光発電の施工実績が豊富な工務店なら、日当たりの状況や影の影響を調べて、条件を考慮した最適な設置場所や設計プランを提案してくれるため安心です。
発電量の多い昼間に電気を使わない
太陽光発電は日中に最も多く発電しますが、その時間帯にご家庭に誰もいなかったり、電気の使用量が少なかったりすると、せっかく発電した電気を十分に活用できません。
共働き世帯などで日中は不在の場合、発電した電気の多くは売電に回ります。
現在の売電価格は買電価格より低いため、節約効果が小さくなります。
この問題を解決するには、発電した電気を蓄電池に貯めておき、夜間や天候の悪い日に使う工夫が必要です。
経年劣化による発電効率の低下
太陽光発電システムは、年月が経つにつれて性能が落ちます。
性能低下の主な要因は、太陽光パネルと、発電した電気を家庭用に変換するパワーコンディショナーの劣化です。
パワーコンディショナーは、太陽光パネルで発電した直流の電気を、家庭で使える交流の電気に変換する装置で、寿命は一般的に10年~15年程度です。
年数が経ってパワーコンディショナーが古くなると、変換効率が落ちて、ご家庭で使える電気の量が少なくなります。
長期的に安定した発電量を得るためには、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。
「オール電化の深夜電力プラン」との相性が悪い場合がある
太陽光発電とオール電化の深夜電力プランの相性が悪いと言われるのは、電気を「発電する時間」と「安く使える時間」がズレているからです。
深夜電力プランでは夜中の電気代は安くなりますが、その分、昼間の電気代は通常より高く設定されています。
太陽光発電だけでは電力が足りない雨や曇りの日、あるいは日中の電気使用量が多かった日には、割高な日中の電気を買う必要があります。
太陽光発電の導入を機に、現在の電力プランが適切か見直してみるのがおすすめです。
太陽光発電で電気代を削減する6つの方法

太陽光発電の効果を活かして、電気代を削減する方法を6つ紹介します。
蓄電池を導入する
昼間に太陽光で発電した電気のうち、使い切れずに余った分を蓄電池に貯めておけば、夜間や、雨や曇りで発電量が少ない日にも自家発電した電気を使えます。
この仕組みで電力会社から購入する電気の量を減らせ、電気代の節約効果が高まります。
地震や台風などで停電が起きた時にも電気を使えるため、万が一の備えとしてもおすすめです。
電気料金プランを見直す
太陽光発電を設置すると、昼間は太陽光で発電した電気を使うため、電力会社から電気を買う量が減り、代わりに夜間や朝夕の時間帯に電気を購入することが多くなります。
そこで大切なのが、契約している電力会社の料金プランが、太陽光発電のある生活スタイルに合っているか確認することです。
一度プランを見直すだけで、想像以上に節約効果が高まる場合があります。
太陽光発電とエコキュートを連携する

エコキュートは従来、電力会社から安い深夜電力を購入して、1日に必要なお湯をまとめて沸かしていました。
最新のエコキュートには、日中の太陽光発電で余った電気を使って、自動でお湯を沸かしてくれる便利な機能がついています。
エコキュートが自動で翌日の天気予報をチェックし「明日は晴れ」と判断すると、夜間の湯沸かしを必要最小限に抑えます。
HEMSで電気使用量を見える化する
HEMS(ヘムス)は、ご家庭で使うエネルギーを管理して、最適な使い方をサポートしてくれるシステムです。
太陽光の発電量やご家庭全体の消費電力量、売電や買電の状況などが、専用の画面やスマートフォンでいつでも確認できます。
HEMSが優れているのは、エコキュートや蓄電池などの機器と連携して、ご家庭内のエネルギーを自動でコントロールする「司令塔」のような働きをする点です。
普段通りに生活しているだけで、HEMSが常にエコな電気の使い方を判断し、自動で実行してくれます。
住宅の断熱・気密性を高める
太陽光発電で電気代を削減するには「発電量を増やす」と同時に「消費電力を減らす」考え方が大切です。
住宅の断熱性と気密性を高めると、外の暑さや寒さに影響されにくい住環境になり、エアコンの働きが効率的になります。
少ない電力でも、エアコンが部屋を快適な温度に保てるため、ご家庭の電気使用量を削減できます。
電気自動車とV2Hを導入し、車を「走る蓄電池」にする

電気自動車とV2H(ビークル・トゥ・ホーム)を導入すると、ご家庭のエネルギー自給率が向上します。
V2Hとは、EVのバッテリーに貯めた電気を、ご家庭で使えるようにするシステムです。
- 日中:天気の良い日中、太陽光発電の余剰電力をEVに無料で充電する。売電するよりもはるかに経済的で、同時にガソリン代もゼロになる。
- 夜間:太陽が沈んだ後は、日中にEVへ貯めた電気を家庭に供給する。一般的なご家庭であれば夜間に使う電力をまかなうことができ、朝まで電力会社から電気を購入せずに過ごすこともできる。
「太陽光発電+電気自動車+V2H」の組み合わせは、災害時に電力を供給できる防災対策にもなります。
こちらの記事で、車が2台入るビルトインガレージに必要な広さや間取り事例を解説しています。
〈関連ページ〉ビルトインガレージ2台付き2階建ての間取り実例(40坪〜60坪)|ガレージの費用、坪数なども解説
山形県南を中心にその他幅広いエリアで、太陽光発電システムを活用した省エネ住宅を検討されている方は、ミナガワ建設へお問い合わせください。
お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせて、エネルギーの自家消費率を高め、経済的メリットを最大限に引き出す住まいづくりをトータルでサポートいたします。
導入前に確認したい太陽光発電システムの費用・補助金

太陽光発電システムの導入は、国や自治体の補助金活用により負担を軽減できます。
太陽光発電システムの導入にかかる初期費用の目安
太陽光発電をご家庭に導入したいと考えた時、まず気になるのが初期費用です。
経済産業省のデータを見ると、太陽光発電システムを導入する際の設置費用は1kWあたり平均28.6万円となっています。
4人家族のご家庭では、電力使用量に合わせて4kW~6kWのシステムを設置するケースが一般的なため、設置費用の総額は約115万円~172万円程度が目安となります。
活用できる国・都道府県の補助金制度
国や地方自治体では、太陽光発電システムの導入に活用できるさまざまな補助金制度が用意されています。
ここでは、補助金の一部をご紹介します。
※記載の情報は2025年7月時点での情報です。詳しくは最新の情報をご確認ください。
子育てグリーン住宅支援事業
国土交通省や環境省が子育て世帯や若者夫婦世帯を応援する補助金制度で、最大160万円の補助が受けられます。
省エネ性能の高い住宅の新築やリフォームが対象となっており、条件を満たせば太陽光発電システムも補助対象に含まれます。
申請手続きは施工業者が行うため、お考えの際は補助金申請に慣れている工務店にご相談ください。
地方自治体の補助金
お住まいの都道府県や市町村でも、独自の補助金制度を設けているところが数多くあります。
例えば、ミナガワ建設のある山形県では「やまがた未来くるエネルギー補助金」制度があり、家庭用蓄電池システムの導入に対して最大40万円の補助が受けられます。
〈参考〉やまがた未来くるエネルギー補助金(家庭用)について|山形県庁
補助金には申請期間や予算の上限があるため、導入を検討されている方は、お住まいの地域にどのような制度があるか早めに確認するのがおすすめです。
こちらの記事で、山形県で使える住宅補助金の流れや2025年最新情報をご紹介しています。
〈関連ページ〉山形県の住宅補助金申請の流れ|2025年最新情報、申請期限も解説
山形県南を中心にその他幅広いエリアで太陽光発電付きの住宅を検討されている方は、ミナガワ建設へお問い合わせください。
太陽光発電やV2H、複雑な補助金申請のサポートなど、将来を見据えた省エネ住宅づくりをトータルでお手伝いいたします。
太陽光発電の電気代が安くならないQ&A

太陽光発電の電気代について、ミナガワ建設がよくいただく質問・回答を紹介します。
Q1. 電気代を完全に0円にできますか?
A. 完全に0円にすることは難しいですが、近づけることは可能です。
太陽光発電だけでは、発電できない夜間や悪天候時には電力会社から電気を買う必要があり、多くの電力会社では、電気の使用量にかかわらず「基本料金」がかかります。
ただし、蓄電池やV2Hの組み合わせにより、電力会社からの電気購入量を削減し、実質0円に近づけることはできます。
Q2. 雪国でも太陽光発電はするべき?
A. 雪国でも太陽光発電は十分に導入価値があります。
冬の積雪により一時的に発電量が低下する期間はありますが、年間を通してみれば他の地域と遜色のない発電量を確保できます。
雪国は夏でも比較的涼しいため、太陽光パネルの温度上昇が抑えられ、発電効率が落ちにくい点が特徴です。
また、台風の直撃を受けにくいため、設備の安全性も高く保てます。
こちらの記事で、雪国で太陽光発電をするメリット・デメリットを解説しています。
〈関連ページ〉太陽光発電は雪国でも可能|理由やメリット・デメリット、雪下ろしが不要な理由について解説
まとめ
太陽光発電は、ただ設置するだけでは、性能を十分に発揮できません。
蓄電池やV2H、高性能な住宅と組み合わせることで、電気の自給自足に近づきます。
ご家庭のライフスタイルに合った最適なシステムを導入するために、信頼できる工務店に相談することをおすすめします。