ビルトインガレージの上に部屋を作るメリット・デメリット|対策・後悔しないポイントも解説

快適な生活動線と居住空間を両立するために、ビルトインガレージの上に部屋を設ける方が増えています。
雨の日でも安心して車を利用でき、趣味や収納などさまざまな用途で活用できます。
しかし、耐震性や断熱性への配慮、間取りの工夫などには検討が必要です。
今回は山形県南を中心にその他幅広いエリアで多くのご家族の家づくりをサポートしてきた工務店『ミナガワ建設』が、ビルトインガレージの上に部屋を作る際のメリット・デメリットと後悔しないポイントを詳しく解説します。
後悔しない住宅づくりのために、ぜひ最後までごらんください。
ビルトインガレージの上に部屋を作るメリット

ビルトインガレージの上に部屋を設けることで得られるメリットは、日常生活の快適性向上から多目的な空間活用まで多岐にわたります。
- ・居住空間と駐車スペースを両立できる
- ・容積率の緩和措置を受けられる
- ・生活動線がよくなる
- ・雨の日でも車への乗り降りが楽
居住空間と駐車スペースを両立できる
車を保管するスペースと生活空間を同じ建物内で確保できるため、快適性と利便性が向上します。
ガレージ内では雨風や紫外線による劣化から車を守り、長期間にわたって良好な状態を保てます。
いたずらや盗難などのリスクも軽減されるため安心です。
また、ガレージ空間はメンテナンス作業やDIY、アウトドア用品の収納など、趣味空間としても活用可能です。
天候に左右されずに、さまざまな作業を行える環境は、ライフスタイルを豊かにしてくれます。
また、敷地を立体的に有効活用することで、ゆとりある居住空間を実現できます。
こちらの記事で、車が2台入るビルトインガレージに必要な広さや間取り事例を解説しています。
〈関連ページ〉「ビルトインガレージ2台付きガレージハウス」の間取り(40坪〜)|車2台に必要な坪数、費用なども解説
容積率の緩和措置を受けられる

ビルトインガレージを設ける場合、容積率の緩和措置を受けられます。
容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合です。
住宅の建築において、都市計画法や建築基準法で定められた容積率の上限を超えてはいけません。
この緩和措置では、ビルトインガレージの面積が建物全体の延べ床面積の1/5までであれば、容積率の計算から除外されます。
本来なら容積率に含まれるはずのガレージ部分が除外されるため、その分広い居住スペースを確保できます。
ただし、固定資産税においては家屋の一部として課税の対象です。
ビルトインガレージの面積が延べ床面積の1/5以下であっても、固定資産税の計算上は床面積に含まれます。
生活動線がスムーズになる
ビルトインガレージの上に部屋を設けることで、日常生活の動線が改善されます。
車から降りて直接自宅内にアクセスできるため、荷物の運搬や移動がスムーズです。
重い荷物を持って外を歩く必要がなく、安全かつ効率的に移動できる環境は、日々の暮らしの質を向上させてくれます。
雨の日でも車への乗り降りが楽
カーポートの場合、雨天時の風向きによっては、屋根の下でも濡れる可能性があります。
しかし、ビルトインガレージであれば濡れずに車に乗り降りできるため、傘をさす手間や、服が濡れる心配は不要です。
ビルトインガレージの上に部屋を作るデメリット

ビルトインガレージの上に部屋を作るデメリットや、注意すべき点は、以下の3つです。
- ・耐震性への配慮が必要
- ・寒さ・暑さが気になる可能性がある
- ・音や振動が伝わりやすい
耐震性への配慮が必要
ビルトインガレージを設ける場合、建物の耐震性に配慮が必要です。
ガレージ部分は車の出入りのために開口部が多くなり、構造的に弱くなりがちな箇所が生じます。
1階部分にガレージを設ける場合、2階を支える柱や壁の配置が制限されるため、建物全体の構造バランスに影響を与える可能性があります。
建物の安全性を確保するには、設計段階から十分な構造計算と補強が欠かせません。
寒さ・暑さが気になりやすい

ビルトインガレージの上に設けた部屋は、ガレージからの熱や冷気の影響を受けやすく、室温の管理が課題です。
夏場はガレージ内に蓄積された熱気が上階に伝わり、冬場は冷たい空気が室内の温度を下げる要因になります。
効果的な対策方法は以下の2つです。
- ・ガレージと居住空間の間に断熱材を施工し、天井部分の断熱性能を向上させる
- ・ガレージのシャッターや窓には断熱性能の高い製品を選択し、外気温の影響を抑える
音や振動が伝わりやすい
ビルトインガレージでは、エンジン音やシャッターの開閉音、車の振動が、上階の部屋に伝わりやすい傾向にあります。
早朝や深夜の車の出入りは、ご家族の睡眠を妨げる要因になります。
騒音対策には以下のような方法が効果的です。
- ・静音タイプのシャッターを選択し、開閉時の騒音を軽減する
- ・ガレージの天井や壁面に防音材を施工し、音の伝わりを抑制する
- ・ガレージの真上には収納や階段などの共用部分を配置するなど、間取りを工夫する
ビルトインガレージ自体のメリット・デメリットについて、こちらで解説しています。
〈関連ページ〉50坪のビルトインガレージの間取り事例|メリット・後悔と対策も解説
山形県南を中心にその他幅広いエリアでビルトインガレージのある住宅をお考えの方は、安心・快適な住まいづくりについて、ぜひミナガワ建設へお気軽にご相談ください。
構造計算や断熱・防音対策まで一貫してサポートし、お客様のライフスタイルに合わせた理想のガレージハウスづくりをお手伝いいたします。
ビルトインガレージの上に部屋を作るポイント

快適で機能的なビルトインガレージ付き住宅の実現において、以下の2つがポイントです。
ガレージの広さ・高さ・形状を検討する
ガレージの寸法計画は、現在所有している車に合わせるだけでは不十分です。
将来、車の大きさが変わる可能性も考慮し、余裕を持った設計にしましょう。
一般的な乗用車の場合、最低でも幅2.5m、奥行き6m程度が必要です。
これに加え、作業スペースや収納スペース、ドアの開閉に必要な空間も考慮する必要があります。
〈参考〉『駐車場設計・施工指針について』駐車ます|国土交通省
間取りと生活動線を工夫する
ビルトインガレージ付き住宅では、ガレージから居住空間への移動がスムーズに行えるよう、階段や玄関の配置を慎重に検討しましょう。
理想の動線は、ガレージから直接玄関ホールやキッチンにアクセスできる間取りです。
荷物を持った状態でも無理なく移動でき、雨の日の買い出しでも濡れずに食材を運べます。
また、ガレージ内に洗面台や収納を設けると、ガーデニングやDIYなどで汚れた道具や服装を整える場所として活用できます。
山形県南を中心にその他幅広いエリアでビルトインガレージのある住宅をお考えの方は、最適な寸法計画や生活動線の設計について、ミナガワ建設へぜひお気軽にご相談ください。
お客様のライフスタイルや将来の計画に合わせて、快適なガレージハウスが実現できるよう、設計から施工までトータルでサポートいたします。
ビルトインガレージQ&A

ビルトインガレージについて、ミナガワ建設がよくいただく質問・回答を紹介します。
ビルトインガレージは建ぺい率・容積率にどう影響する?
建ぺい率は、ビルトインガレージも建築面積に含まれるため、通常の建物と同様に制限を受けます。
ガレージ部分も含めて建ぺい率の上限を超えないよう注意が必要です。
一方、容積率については緩和措置が設けられています。
ビルトインガレージの面積が、建物全体の延べ床面積の1/5以下であれば、その部分は容積率の計算から除外されます。
ビルトインガレージの上に部屋する場合、風水に気をつけることは?
風水の観点から見ると、ガレージは車という「動的なエネルギー」が集まる場所とされており、その上の部屋は「気の流れ」が不安定になりやすいと考えられています。
寝室として使用する場合は、安定した「気」が求められるため、対策としては、ガレージと上階には「気を安定させる要素」を配置するのがおすすめです。
ただし、風水は信念などによって解釈が異なるため、ご自身の価値観に合わせて参考程度に考慮しましょう。
ビルトインガレージの上を部屋以外に活用する方法は?
ビルトインガレージ上のスペースの活用方法として人気なのは、ルーフバルコニーです。
LDKや脱衣室に隣接させる間取りにすると、DIYやアウトドアリビング、洗濯物を干す場所として活用できます。
用途に応じて必要な設備や仕様を検討し、多目的に使える空間として設計すると、便利にお使いいただけます。
まとめ
ビルトインガレージの上に部屋を作ることは、快適な生活動線と多目的空間を実現し、理想的な住環境を構築するのに有効です。
容積率の緩和措置により、通常より広い居住スペースを確保でき、雨の日でも安心して車を利用できるなど、日常生活の質を向上させる多くのメリットがあります。
本記事の情報を参考に、ご自身のライフスタイルに適した住まいを実現していただければ幸いです。